前回はAFの重要性とEOS Rシステムの概要についてお話ししました。今回はAFの基本操作と設定について詳しく見ていきましょう!
AFとMFの切り替え
大抵のレンズには、AF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)を切り替えるスイッチが付いています。この記事のテーマはAFの使いこなしなのでAF側にしておきます。
低価格帯のレンズの場合、このスイッチがないものもあります。現代ではMFを使うことは稀なので合理的にシンプル化されていると思います。
スイッチがないレンズを使うときは、下記のAFメニューからAFとMFを切り替えることができます。
ちなみに、EOS R7はボディ側にスイッチが付いているため、レンズにスイッチがなくてもメニューを開かずに簡単に切り替えられます。便利ですね。
撮影距離範囲の制限
レンズによっては、撮影距離範囲を制限する機能があるものもあります。この機能を使うことで、遠くの被写体のみにピントを合わせられるようになります。
例えば、ガラス越しやネット越しに撮影する際は、距離制限しないと手前のガラスやネットにピントがあってしまう場合があります。この機能を活用して狙ったところにピントを合わせやすくしましょう。
また、高級な超望遠レンズやR5markIIなどでは、予めピント位置を登録しておき、呼び出しボタンを押すことで即座にその位置にピントを合わせるフォーカスプリセットという機能もあります。
AFモード
EOS Rシステムには「ワンショットAF」と「サーボAF」の2つの主要なAFモードがあります。
他のメーカーではそれぞれ「AF-S」と「AF-C」とも呼ばれます。Canonの場合、これに加えて「AIフォーカスAF」というモードも存在します。
ワンショットAFは、静止している被写体に適しており、シャッターボタンを半押しすると一度だけAF動作を行い、その後ピントが固定されます。
サーボAFは動いている被写体に適しており、シャッターボタンを半押ししたままにすると、カメラが被写体にピントを合わせ続けます。
最近のカメラはサーボAFの性能が飛躍的に向上しているので、基本的にはサーボAFを使い、特別な理由があるときにワンショットAFを使うのが良いでしょう。
例えば以下のような場合はワンショットAFがおすすめです。
暗い場所
ワンショットAFはAF時に一時的に露出設定を変えてピントを合わせやすくするため、暗所性能が高いです。
フォーカスロック
ワンショットAFの「一度だけAFを行う」という特徴を利用して、ピントを固定してから構図を変える技術です。
予め狙った位置にピントを合わせ、その後ピントを固定したまま構図を変えることができます。
例えば、風景撮影時に主題となる花や木にピントを合わせてから、前景や背景のバランスを取りながら構図を決めて撮影できます。
AIフォーカスAFは、被写体が静止しているときはワンショットAF、動いている場合はサーボAFに自動的に切り替わります。
このモードの使用例としては、「普段は静止物を撮るが、極稀に動き物を撮る場合」や、ーサーボAFが不安定な場合」での使用が考えられます。
ただし、いずれの場合も状況に応じてワンショットAFとサーボAFを手動で切り替える方が合焦の打率は高いと思います。搭載されている機種も限られているので、積極的に使う必要はないと感じています。
AFエリア
AFエリアは、カメラのファインダーに表示される四角い枠のことで、このAFエリアの中のどこかにピントを合わせるようにレンズが駆動します。
Canonのカメラではスポット1点AFから全域AFまで多様なAFエリアが用意されています。
より小さいAFエリアは撮影者がピントを合わせる場所を明確にカメラを指示することになり、より大きいAFエリアはピントを合わせる場所をカメラ任せにすることになります。
自分の場合、被写体検出で検出可能なもの(人、動物、乗り物)を撮影する場合はフレキシブルゾーンを使い、その他の場合は1点AFを使うことが多いです。
ここは各自の撮影対象、スタイル、スキルに応じて最適なものを探してください。
AFを使う
基本的な設定は完了したので、実際にAFを使って撮影してみましょう。
撮影画面でレリーズボタンを半押しするとAFが実行されます(@初期設定)
AFエリア近傍に被写体検出可能なものがあればそこにピントが合い、そうでない場合はAFエリア内のどこかにピントが合うと思います。
AFエリア内のどこにピントが合うかは設定や状況によりますが、近くにあるものやAFエリア中央に近いもの、コントラストがハッキリしているオブジェクトなどにピントが合いやすいです。
まとめ
今回の内容を理解することで、AFの基本的な設定を身に着け、シーンに応じた適切なAF設定が可能になります。特に、撮影距離範囲の制限機能やワンショットAFとサーボAFの使い分けは、撮影の成功率を大きく向上させます。
一応基礎的なことも書いてみましたが、このサイトにお越しいただいている方はすでにご存じのことだったかと思います。
次回以降だんだん深い話になってくるので、ご期待ください!